PR

ニュース 政治

革新機構、田中社長ら民間出身取締役9人全員辞任へ 問われる経産省の責任

Messenger
産業革新投資機構が入る丸の内永楽ビルディング=東京都千代田区(納冨康撮影)
産業革新投資機構が入る丸の内永楽ビルディング=東京都千代田区(納冨康撮影)

 官民ファンドの産業革新投資機構の田中正明社長(65)や坂根正弘取締役会議長(77)=コマツ相談役=ら民間出身の取締役9人全員が、辞任する意向を固めたことが9日、分かった。所管する経済産業省と田中氏が報酬水準や投資手法をめぐって対立し、関係修復が困難と判断した。田中氏が10日午後にも記者会見し、辞任を表明する方針だ。後任人事は難航するのが必至で、新産業育成などを目的に9月に発足したばかりの機構は、出足から大きくつまずいた。

 10日朝、田中氏は自宅前に詰めかけた報道陣に対し「きょう会見し、その時に話しますので」とだけ硬い表情で述べるにとどめ、足早に車に乗り込んだ。 

 田中氏は当初、続投の意向を示していた。坂根氏が経産省側と調整したが、溝は埋まらなかった。経産省と財務省出身の取締役2人は残留する方向だ。

 経産省と機構の対立の発端は「経産省の失態」からだ。経産省は9月、機構の経営陣に最大で年1億円を超える報酬を提示した。人材を確保するため、「グローバルなファンドの水準を参考にした」(世耕弘成経産相)という。その前提で話が進んでいたが、政府内外で高額報酬に批判が高まったことを受け、経産省は報酬水準の見直しを決断。11月に入り、経産省側が田中氏に陳謝した。だが、田中氏が反発し、両者の協議は決裂した。

 報酬以外にも、認可ファンド(子ファンド)の傘下に置くファンド(孫ファンド)の情報開示のあり方や、機構側が金融投資を積極的に進める意向を示したことでも意見が対立。経産省の事務方トップである嶋田隆事務次官と坂根氏が事態収拾に向け協議したものの、歩み寄れなかった。

 一連の混乱は機構の取締役の大半が辞任するという異例の事態に発展した。機構は政府が約95%を出資し、新規事業やベンチャー企業の創出などを目的に設立されたが、活動が暗礁に乗り上げる公算が大きい。世耕氏は「事態の早期収拾を目指す」としてきたが、経産省側の責任も一段と厳しく問われそうだ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ