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改正入管法成立、人手不足解消も見切り発車否めず

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8日午前4時すぎまで行われた参院本会議で改正出入国管理法が可決成立し、議場を後にする山下貴司法務相=国会(納冨康撮影)
8日午前4時すぎまで行われた参院本会議で改正出入国管理法が可決成立し、議場を後にする山下貴司法務相=国会(納冨康撮影)

 改正出入国管理法が8日未明、成立した。新たな在留資格の創設による外国人労働者の受け入れ拡大は、人手不足で外国人に頼らざるを得ない労働現場の実態を踏まえたものだ。単純労働分野での就労を認め、高度な専門人材に限っていた従来の外国人政策を大きく転換する。だが、受け入れ業種や規模といった制度の根幹は省令などで今後定める方針で、来年4月の導入までに政府に課された責任は大きい。

 建設や介護など人手不足の業種では「外国人がいなければ仕事が回らない」(都内の建設業)という声が相次ぐ。今や日本で働く外国人労働者は約128万人に上り、5人に1人が外国人という自治体も出てきている。政府は制度導入から5年で最大34万5千人の外国人労働者を受け入れる見込みで、3割程度増える計算だ。

 これまでは外国人労働者の4割以上を開発途上国への国際協力を目的とした技能実習生や留学生のアルバイトらが占め、いびつな構造が続いてきた。政府は、新設する在留資格「特定技能1号」について、4割以上が実習生からの移行と試算する。実習生らに頼る現場の実態に制度を近づけるものといえる。

 国会論戦で野党側は、一部企業が実習生を「安価な労働力」として低賃金で酷使し、失踪や事故が起きていることなどを指摘した。新たに受け入れる外国人労働者は日本人と同等の賃金が求められるが、政府は実現に向けた態勢を整備する必要がある。

 外国人労働者の受け入れが賃金上昇を一定程度抑制するとの民間シンクタンクの試算があるほか、国民の間には、言葉や生活習慣の違いから地域でトラブルが起こるのではないかという懸念も根強い。「共生社会の実現」(安倍晋三首相)に向けて乗り越えるべき課題は多い。(田村龍彦)

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