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経産省失態…高額報酬、革新機構と対立深刻 社長は続投意向

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経産省と産業革新投資機構の対立の構図
経産省と産業革新投資機構の対立の構図

  高額報酬をめぐる経済産業省と産業革新投資機構の混乱は、経産省が機構の予算減額を検討するまでに発展した。機構は民間の資金を活用する官民ファンドとして9月に発足したばかりだが、早くも先行きに暗雲が漂う。機構の田中正明社長(元三菱UFJフィナンシャル・グループ副社長)は5日夜、報道陣の取材に対し続投の意向を示したが、機構側の反発は根強い。政府は事態の収拾に向けて着地点を探るが、解決の糸口は見えてこない。

 田中社長は5日夜、報道陣の続投を問う質問に対し「もちろんだ」と答え、社長職にとどまることに意欲を示した。

 経産省と機構の関係がこじれた発端は、経産省の「事務的な失態」(世耕弘成経産相)だ。経産省は9月21日、機構の経営陣に最大で年1億円を超える報酬を提示した。人材を確保するため、「グローバルなファンドの水準を参考にした」(世耕氏)という。その前提で話が進んでいたが、政府内外で高額報酬に批判が高まり、風向きが変わる。

 国の資金を活用した公的側面の強い組織であることを踏まえ、経産省は報酬水準の見直しを決断。11月9日、経産省の事務方トップである嶋田隆事務次官が、田中社長に面会し陳謝したが、報酬案を撤回したことに田中社長が反発し、両者の協議は決裂した。

 両者は11月24日にも意見交換した。関係者への取材によると経産省は報酬の減額以外にも、機構の運営面でさらに政府の関与を強める意向を示したという。これに対し、田中社長は経産省の姿勢を厳しく批判して席を立ったという。

 経産省の佐々木啓介産業創造課長は3日の記者会見で田中社長に関し「2兆円の国の資金投資をお願いする上で、前提となる信頼関係は毀損(きそん)している」と語った。一方、機構は「9月の経産省の提示や会社法などにのっとって対応した」とコメントし、対立は解消していない。

 ただ、「混乱を長引かせたくはない」(機構関係者)との思いは、経産省と機構の双方に共通している。世耕氏は4日の会見で、嶋田氏に「早急に事態を収拾するよう指示した」と述べ、早期の幕引きを目指す意向を示した。

 既に世耕氏は自分と嶋田氏の給与を自主返納すると発表。今後の焦点は田中社長ら機構の出方に移っているが、対立の解消は見通せていない。(大柳聡庸、米沢文)

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