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憲法審、静かな環境遠く 国民投票法改正案の今国会成立は断念 

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 衆院憲法審査会は29日、臨時国会が先月24日に召集されて以来初めての憲法審査会を開いた。自民、公明両党と、野党の日本維新の会、希望の党などが出席したが、開催に反対する立憲民主党や国民民主党などは出席を拒否した。「政局から離れた静かな環境での議論」を掲げる憲法審だが、与野党攻防に巻き込まれ主要野党が不在という異例の事態となり、与党は今国会での国民投票法改正案成立を断念した。

 憲法審はこの日、自民党の新たな幹事に新藤義孝元総務相ら6人を選ぶ事務手続きのみを行い、2分で終了した。立憲民主党などはこれまで開催を拒み続けてきた。「議論をしない国会は意味がない」(自民党幹部)と不満が高まる中、来月10日の会期末まで2週間を切ったことから、森英介会長(自民)が職権で開催した。与野党合意のない憲法審開催は極めて異例だ。

 新藤氏は29日、自民党本部で記者会見し「国会対策という政局が障害となった。誠に残念だ」と述べた。また、野党筆頭幹事の山花郁夫氏(立憲民主)とは開催に向けて話し合いを重ねてきたが、立憲民主党の国会対策委員会(国対)が開催を認めなかったと説明した。

 各党の国対は国会運営の司令塔となり、法案審議をめぐる与野党の駆け引きの中心に位置する。立憲民主党は「安倍晋三首相の改憲姿勢」を自民党との対立軸に位置づけている。新藤氏と山花氏の協議で憲法審開催の環境が整いつつあっても、最後は「国対の指示」を理由に山花氏が首をタテに振らないこともあった。

 この結果、憲法審は今国会一度も開かれない異常事態が長く続いてきた。憲法改正に慎重な姿勢をとってきた公明党も今回の開催を支持した。衆院憲法審の幹事を務める公明党の北側一雄副代表は「理事(幹事)の選任はどの委員会もやっており、憲法審だけ理由もなく拒絶をしている方がおかしい」と立憲民主党などの姿勢を批判した。

 一方、立憲民主党の辻元清美国対委員長は29日、「安倍政権の横暴極まれり。横暴を通り超してパワハラだ」と記者団に語り、政権批判を展開した。

 自民党は憲法審の自由討議で党改憲案を提示することを目指してきた。今国会の憲法審定例日は衆参とも残り1日ずつしかない。国民投票法改正案を衆院で可決し、参院審議を経て成立させるのは不可能だ。

 自民党内では衆院の最後の定例日となる12月6日に自由討議を行う案もある。だが、29日の憲法審開催を受けて主要野党は態度を硬化させており、自由討議に応じる公算は極めて小さい。自民党による改憲案提示は困難な情勢だ。(田中一世)

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