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【単刀直言】鈴木宗男氏 日露交渉「2島プラスα」が現実的解決への道

 そもそも日本は、昭和26(1951)年に調印したサンフランシスコ講和条約で、南樺太と千島列島の主権を放棄しました。当時の日本政府は、択捉(えとろふ)島と国後(くなしり)島は主権を放棄した千島列島に含まれるという立場でした。これは調印後、吉田茂首相(当時)をはじめ、外務省の西村熊雄条約局長(同)らが国会で明確に答弁しています。日本政府が取り戻そうとしていた領土は、実は歯舞群島と色丹島だけだったのです。

 東西の冷戦が激化する中で、日本は「四島返還」に主張を変えていきますが、当初から「四島」を求めてはいなかったというのが、歴史の事実です。

 安倍首相がプーチン氏と信頼関係を築くのは、こうした歴史をお互いに認識しているからです。だからこそ、安倍首相は共同経済活動を織り交ぜた「未来志向の新しいアプローチ」を追求し、プーチン氏も「双方が受け入れ可能な解決策」を求めるのです。

 高齢化が進む元島民らが最も望んでいるのも、島に自由に行けるようになること、そして1つでも2つでも早く島が戻ってくることです。忌憚(きたん)なく話ができる安倍首相とプーチン氏で領土問題を解決できなければ、平和条約は未来永劫(えいごう)結べないでしょう。

 ただし、安倍首相の自民党総裁としての任期は最長であと3年。再来年の東京五輪が近づけば、落ち着いた外交交渉はしにくくなる。来年6月に日本で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際に平和条約に署名するくらいのスピード感でなければ、安倍政権の間に解決できません。年内に予定する2回の日露首脳会談は、非常に重要な意味をもちます。

 外交交渉に「100対ゼロ」の勝利はあり得ません。プーチン氏のいう「引き分け」にどう持ち込むか。共同宣言を踏まえれば、歯舞群島と色丹島の引き渡しに、残る2島の自由往来や共同経済活動などを組み合わせた「2島プラスα」で交渉を組み立てるのが現実的解決への道です。安倍首相ならば、必ず日露の新たな歴史をつくると確信しています。(力武崇樹、小川真由美)

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