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石破氏提唱の「防災省」は必要か 自民総裁選の争点化を図るも与党内は慎重論

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 9月の自民党総裁選をめぐり、石破茂元幹事長が各省庁にまたがる災害対策を一元的に担う「防災省」創設を提唱し、争点化を図っている。7月の西日本豪雨などを踏まえ、インフラ整備から防災訓練まで一手に引き受ける行政組織が必要との考えに基づくものだ。菅義偉(すがよしひで)官房長官らは災害対応は初動も含め内閣官房が担うシステムができており、屋上屋を架すことになると防災省創設に否定的な姿勢を示している。

 「南海トラフ地震や首都直下地震が想定される中で、防災担当相は国家公安委員長と兼務だ。もしオウム(真理教)のような重大事件が起こったとき、2つに対応するのは困難だと思っている」

 石破氏は総裁選に向けた10日の出馬会見でこう述べ、防災省の創設を争点に掲げる考えを強調した。

 石破氏は先月出版した著書でも「(過去の災害対応の)知見を一カ所に集中させ、インフラ整備、防災機材から避難などの訓練のノウハウ、過去の教訓に至るまで、一元化してスキルアップすべきだ」と強調。災害対応に関わる独立した省庁を設け、政府として機動的に対応できる態勢を整えるよう求めている。

 地方の首長も石破氏に近い主張を唱えている。7月に札幌市で開かれた全国知事会議では、災害の事前対策から復旧復興までを一元的に担う防災省創設を求める緊急提言を採択した。

 ただ、与党内では防災省創設に慎重な意見が多い。公明党は昨年の衆院選公約で、災害の初動対応を速やかに行うため「災害庁」の設置を掲げたが、山口那津男代表は23日の記者会見で「現状より優れた効果があがるのか、議論は必ずしも十分でない」と述べ、慎重に対応する考えを示した。

 与党内には、平成32年度に設置期限を迎える復興庁の後継組織として「防災省」を検討すべきだとの声もある。しかし、復興相経験者は、東日本大震災の復興が複数の省庁で複雑に絡むことから、「組織の規模や人員構成を具体的に考えた場合、一筋縄ではいかない」と否定的だ。行政改革の流れに逆行するとの意見も根強い。

(千田恒弥)

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