産経ニュース

自衛官の採用上限、32歳に引き上げ 人材確保の司令塔部署も新設 少子化で迫る「静かな有事」対応

ニュース 政治

記事詳細

更新


自衛官の採用上限、32歳に引き上げ 人材確保の司令塔部署も新設 少子化で迫る「静かな有事」対応

 厳しい数字は、そのまま現場にも反映されている。海自の護衛艦任務では、定員に満たない人数で出航することが常態化している。本来は3班制でのローテーションを2班制で回すなど、隊員にかかる負荷は重い。海自では業務の効率化の推進などで現状をしのいでいるが、抜本的な解決には結びつかないのが実情だ。陸自や空自も同じ構図に頭を悩ませている。

 総務省などによると、自衛隊が採用対象としている18~26歳の人口は減少を続けており、50年度には6年度のピーク時から半減する見込みだ。最近の景気回復で民間企業に人材が流れていることもある。自衛官の採用が今後さらに厳しさを増すのは必至で、防衛省は今回の採用年齢の拡大に加え、定年延長や再任用の拡充、女性活用の推進などを断行する方針だ。

 地方自治体の姿勢も人材確保が困難な一因となっている。自衛隊法では、都道府県知事や各市町村長は、自衛官募集に関する事務に協力することが規定されている。これに基づき防衛省は募集対象者の氏名、生年月日、性別、住所の情報提供を依頼している。

 ただ、積極的に応じる自治体は全体の約3割にとどまる。背景には自衛隊への“アレルギー”や事務作業が増えることへの警戒感があるとみられる。防衛省は31年度に新設する人材確保の部署を中心に地方自治体へのアプローチ方法などを検討する。

 国防に加え、最近は西日本豪雨のように各地で起こる災害での自衛隊の重要性も高まっている。小野寺五典防衛相も7月27日に出演したインターネット番組「言論テレビ」でこう訴えた。

 「災害からも国を守る自衛隊員だ。国から委任する事務なので募集にもご協力いただきたい」(石鍋圭)

「ニュース」のランキング