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【激動・朝鮮半島】繰り返された失敗…「悪行に報償」の枠組み合意、「制度に欠陥」の6カ国協議

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【激動・朝鮮半島】
繰り返された失敗…「悪行に報償」の枠組み合意、「制度に欠陥」の6カ国協議

北朝鮮と核をめぐる主な動き 北朝鮮と核をめぐる主な動き

 北朝鮮が1993年に核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言して以降、米国をはじめ国際社会は交渉を通じて核問題の解決を図ったが、いずれも失敗。北朝鮮はその間に着々と核開発を進めてきた。米朝首脳会談では非核化が最大の焦点だが、前轍(ぜんてつ)を踏まないことが求められている。

枠組み合意 重油供与→裏で濃縮ウラン技術入手

 北朝鮮の核開発をめぐる最初の米朝合意となった94年10月の米朝枠組み合意は、核開発凍結の代わりに日米韓が軽水炉や重油を供与する「悪行に報償を与える」ものだった。トランプ政権は同合意を反面教師に、完全な非核化まで制裁圧力を維持する構えだ。

 トランプ大統領は北朝鮮の歴代指導者を念頭に「この25年間、効き目がなかった」と批判したことがある。トランプ氏にとり枠組み合意は、締結したクリントン氏以来の歴代政権による米朝交渉の失敗を象徴する存在だ。

 冷戦期、旧ソ連の協力を得て核開発を継続していた北朝鮮は93年3月にNPT脱退を表明した。クリントン政権(当時)が核施設への空爆を検討する中、危機回避のため枠組み合意は結ばれた。

 枠組み合意は、北朝鮮が核兵器の原料となるプルトニウムの製造に適した黒鉛減速炉の運転などを凍結する代わりに軽水炉や重油を供与する内容で、日米韓は朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を設立し作業を進めた。

 しかし、北朝鮮は重油を得る裏で、パキスタンと秘密協定を結んで濃縮ウラン製造技術を入手したとされる。2002年10月に訪朝したケリー国務次官補は、北朝鮮がウラン濃縮計画を認めたと公表し、北朝鮮が03年1月に再びNPT脱退を表明したことで枠組み合意は崩壊する。

 ブッシュ政権は01年9月11日の米中枢同時テロを受け、北朝鮮を「悪の枢軸」の一つに数えて強硬姿勢を強め、体制転換も論じられた。クリントン政権で枠組み合意をまとめたガルーチ元朝鮮半島核問題担当大使は米メディアに対し、金正日総書記(当時)が体制の安全を感じられなくなったことを「教訓」として挙げている。(ワシントン 加納宏幸)

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