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【正論】「総裁候補」に求められる器量 文芸評論家・小川榮太郎

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 ≪経済と外交の継承が不可欠

 総裁選や後継問題は、あくまで安倍政治が実現してきた国益の保全と発展といふ観点から考へねばならない。

 実際、過去の長期安定政権を振り返れば、中曽根康弘政権の後継は中曽根裁定によつて竹下登氏に決まり、小泉政権でも安倍氏を官房長官に抜擢(ばってき)したことで後継のレールは首相自らが敷いてゐる。両政権に於(お)いて、後継者が事実上禅譲であつたのは、単に強い総裁に媚(こ)びるとか、仁義を切つておく方が得だといふ話ではない。新総裁は前政権の「成功」を継承する責務があるからだ。「成功」局面では権力闘争より継続の方が必要だからである。

 現在の安倍政権に関して言へば、後継者に絶対不可欠なのは、アベノミクスと安倍外交の継承である。劇的な政策変更は景気と株価を直撃する可能性が高い。野田政権時に8000円前後で低迷してゐた株価が、安倍氏が自民党総裁に就任し、デフレ脱却の方針を打ち出しただけで、みるみる上昇を続けたのを見ても明らかなやうに、経済政策の方針と統治能力への期待-反期待-に対して、市場は露骨に反応する。

 株価と景気が打撃を受ければ、支持率にただちに跳ね返る。もしさうなれば、諸外国は掌(てのひら)を返したやうに日本離れと日本たたきへと方針を切り替へよう。国民の被る不利益は計り知れない。

 しかも3年前の総裁選時に比べ、米国でのトランプ政権誕生、習近平中国国家主席とプーチン露大統領の“独裁”強化、北朝鮮による長距離弾道ミサイル実験以後の半島秩序の“激変”など、日本周辺は非常事態に突入してゐる。アベノミクスの成果はやうやく実りはじめてきた。こんなときに、あへて総裁選を争ふことは果たして必要なのだらうか。

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