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【政治デスクノート】先人に学ぶ好機の「明治150年」 なぜか腰が重い政府

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【政治デスクノート】
先人に学ぶ好機の「明治150年」 なぜか腰が重い政府

施政方針演説で放送制度改革に言及した安倍晋三首相=1月22日、衆院本会議場(斎藤良雄撮影) 施政方針演説で放送制度改革に言及した安倍晋三首相=1月22日、衆院本会議場(斎藤良雄撮影)

 例えば幕臣だった榎本武揚(1836~1908)だ。戊辰戦争の最後の戦いとなった箱館(函館)戦争で敗れた榎本は降伏直前、留学していたオランダから持ち帰った「国際法の教科書」を新政府軍の黒田清隆に託す。今後の日本で国際法が必要と感じ、戦禍で消失させないためだった。

 榎本は死罪間違いなしと言われながら、黒田らの嘆願で釈放された。それどころか明治新政府に登用され、明治8年に締結した樺太・千島交換条約では日本代表として「タフネゴシエーター」ぶりを発揮。弱小国・日本が当時の大国・ロシア相手に平等条約を結ぶ離れ業をやってのけた。

 榎本関連の本だけで一気に10冊以上読んだ。有能な「罪人」を登用してまで必死に日本の針路を考え、行動した明治人の心意気がひしひしと伝わってきた。自分の無知を恥じるばかりだが、興味は取材後も尽きない。NHKで放映中の大河ドラマ「西郷どん」も、いずれ明治期の西郷隆盛に焦点があたるのだろう。

 翻って国会の現状は財務省による決裁文書改竄(かいざん)問題などの個別案件に多くの時間を割いている。問題の追及や政策の議論も当然重要だが、日本の大きな方針を議論する場面を国会で目にしたことは、あまりない。 (政治部次長 酒井充)

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