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【衆院選】
佐賀・自民党リセットできず 苦しい戦い「しっぺ返しだよ」 過去の遺恨、支持団体の離反
衆院選(22日投開票)は、全国的に自民党が優位な戦いを展開する。だが、佐賀県の2選挙区では、1勝1敗だった前回に続き、自民党候補が厳しい戦いとなっている。佐賀県議会は定数38のうち自民党が26人。そんな保守王国にあって、農業票の自民党離れや、過去の選挙をめぐる遺恨が、響いている。(中村雅和)
「(自民党の)国会議員は、この2年半で何をしてきたのか」
公示直前の9日。営農者らでつくる政治団体、佐賀県農政協議会(農政協)の会合で、政府が進めた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉や農協改革をめぐり、参加者から不満が噴出した。
農政協は、佐賀県最大の政治団体だ。長年、自民党を支持し、同党の集票マシンとして機能した。
だが、今回の衆院選では、政権への不平に突き動かされるように、組織として「自主投票」を決めた。
農政協幹部は「非自民の動きは前回(衆院選)こそ押さえ込めたが、今回はもう無理。とてもじゃないが、一枚岩でやれない」と明かした。
TPPや農協改革への不満は、全国の農協系組織に共通する。
しかし、選挙となれば“元のさや”に収まるケースが多い。例えば、福岡県農政連は県内の自民党公認候補全員を推薦した。「与党内から、官邸に物申すことが必要」(同農政連幹部)との思いがある。
これに対し、佐賀県の農協系組織の一部には、自主投票どころか、野党の応援に動くところもある。