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【国難を問う(5)】
戦後メディア史の汚点 「不都合な真実」に蓋 偏向報道「知る権利」阻害
加計学園誘致の当事者である加戸の過去の経緯から説き起こす証言と説明はろくに報じず、規制改革ということの本質から目をそらし、ひたすら安倍と加計学園理事長が友人であることばかりに焦点を当てる。
何一つ疑惑を裏付けるような「ファクト」は示せないまま、ただ呪詛のように「疑念は晴れない」「納得できない」「不自然さが残る」…などと、読者の安倍への不信感が募るようにレッテル貼りを繰り返す。
こんなものは権力の監視でも何でもない。紙面を使った個人攻撃であり、倒閣運動に過ぎないだろう。
一方、倉重による安倍の言葉をさえぎりながらの根拠なき決め付け質問は尊大で感情的で、毎日の他記者からも「一番ひどい」との声が漏れた。テレビで中継されていたため、ネット上では倉重への批判のコメントがあふれていた。ところが、9日付毎日朝刊をみると、反対にこんな見出しが立っていたのである。
「気色ばむ首相 朝日批判 加計問題で応酬」
安倍が気色ばんでいたかどうかは見解が分かれるかもしれないが、少なくとも筆者には冷静に見えた。声を荒らげ、明らかに気色ばんでいたのは倉重のほうである。