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【日露首脳会談】北方領土での日露共同経済活動へ「海産物養殖」「野菜栽培」「風力発電」など5分野優先で合意 ただ待ち受ける高いハードルとは…

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【日露首脳会談】
北方領土での日露共同経済活動へ「海産物養殖」「野菜栽培」「風力発電」など5分野優先で合意 ただ待ち受ける高いハードルとは…

7日、ロシア極東ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムでプーチン露大統領と握手する安倍晋三首相(ロイター) 7日、ロシア極東ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムでプーチン露大統領と握手する安倍晋三首相(ロイター)

 安倍晋三首相とプーチン露大統領は7日の首脳会談で、北方領土での共同経済活動の実現に向け一歩前進した。優先分野として(1)海産物養殖(2)温室野菜栽培(3)観光ツアー(4)風力発電(5)ゴミの減量対策-の5分野に合意し、10月に現地調査を行う。人の往来に関する作業部会の設置も打ち出し、歯舞群島・貝殻島の灯台改修も共同で行う。

 ただ、昨年12月の首脳会談で共同経済活動の実施が決まって以降、大まかな姿を示すまでに9カ月を要した。今後、共同経済活動の具体化が進めば日露双方の主権を害さない「特別な制度」という、より高いハードルが待ち受ける。

 露政府は先月、「特別な制度」で合意する前に一方的に北方領土での経済特区を設置した。交渉の障壁ともなり得るが、対露交渉担当者は「特区は国内法でやる話だ。いちいちチェックしていたらキリがない」とし、あえて深追いしない構えだ。

 来年3月には露大統領選を控えており、プーチン氏は露国内の世論や対日強硬派に配慮する必要が出てくる。良好な関係にある安倍首相であっても譲歩を引き出すことは難しくなる。

 特区設置は第三国企業の進出をちらつかせながら、日本に揺さぶりをかけるカードとなり得る。北朝鮮に対する制裁強化をめぐる温度差も「日露交渉に影響しないとはいえない」(外務省幹部)。当面は我慢の交渉が続きそうだ。(ウラジオストク 大橋拓史)

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