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【稲田朋美防衛相辞任】
「責任を痛感、辞任かねがね考えていた」 険しい表情から涙目にも
南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報をめぐる問題で28日、記者会見した稲田朋美防衛相。「責任を痛感している」と繰り返した稲田氏だが、隠蔽の了承について「認識は今でもない」と主張し、強気の姿勢を貫いた。日報をめぐる一連の問題は、防衛省・自衛隊への稲田氏のガバナンス(統治)不足を露呈、不信感が渦巻いた。
「防衛省・自衛隊に大変厳しい反省すべき結果が示された。極めて遺憾」。稲田氏は会見冒頭、険しい表情でこう述べた。
争点とされた稲田氏自身の関与について監察結果は「何らかの発言があった可能性は否定できない」と指摘したが、書面報告や稲田氏が非公表と了承した事実はなかったと認定。稲田氏は「報告を受けた認識は今でもないが、監察結果は率直に受け止める」と改めて身の潔白を訴えた。
「お騒がせしていることについて責任を果たしたいと、かねがね考えていた」と特別防衛監察が始まった3月以降、安倍晋三首相にも相談していたことを明かした稲田氏。事実解明の前に任命権者に進退を相談していたことを追及され、「詳細は控えたい」と苦しい釈明に追われた。
約45分間の会見の最後、稲田氏は目を潤ませ、「防衛省・自衛隊の名誉にかけて隠蔽という事実はありません」と言い切り、さっそうと会見場を後にした。