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【都議選告示】「行き過ぎた政党政治」を持ち込むと知事独裁体制ともなりかねない 中央大の佐々木信夫教授

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【都議選告示】
「行き過ぎた政党政治」を持ち込むと知事独裁体制ともなりかねない 中央大の佐々木信夫教授

佐々木信夫・中央大教授 佐々木信夫・中央大教授

 今回の都議選は小池都政を中間評価する初めての機会となる。豊洲市場移転過程の「見える化」や2020年東京五輪の会場見直しで関心を高め、都政や都議会の古い体質を変える手がかりを提示した一方、「問題提起をしただけで解決はしていない」「議会や職員、都民に相談なく進めるワンマン都政」との批判もある。これを有権者がどう見るかだ。

 本来争点とすべきなのは、20年以降に大きくなる問題だ。大都市東京は高齢者が急増し、今も足りない介護施設は今後、圧倒的に不足する。待機児童対策が急がれるが、この先は待機老人問題が深刻化し、インフラの劣化も進む。

 「成長する東京」から政策の大転換が必要で、都議選では「老いる東京」問題に切り込む政策論争が求められる。格差や貧困、医療、福祉、子育てへの支援強化など、都政本来の政策推進を加速させなければならない。

 都知事が代表を兼ねる新党にどこまで議席を与えるかも焦点だが、都政は国政と違い、議員と知事を有権者が直接選び、双方が抑制均衡関係を保つよう求めた二元代表制だ。都民に代わって膨大な予算と仕事を動かす執行機関をチェックするのが都議会の重要な役割。「行き過ぎた政党政治」を都政に持ち込むと、知事独裁体制ともなりかねない。

 たとえ「鳥の目」でも都知事は1人。多様な127人の議員がそれぞれの目で問題を拾い、立法化できれば総力戦になる。そんな都民代表の都議会の誕生を望んでいる。

 ささき・のぶお 昭和23年生まれ。東京都職員などを経て平成6年から現職。専門は行政学、地方自治論。

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