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防衛費、過去最大の5.1兆円へ 29年度予算案、中国・北朝鮮対応
政府が平成29年度予算案で、防衛費を過去最大の5兆1千億円程度とする方向で調整していることが1日、分かった。防衛費を当初予算ベースで増額するのは、第2次安倍晋三政権の25年度以降、5年連続。日本周辺の海空域で挑発行為を続ける中国、北朝鮮や不安定さを増す国際情勢への対応を強化する。
国内総生産(GDP)に対して1%を上回らない状態は維持される見通し。防衛省は概算要求で5兆1685億円を要求していた。政府は月内に編成する28年度第3次補正予算案でも防衛費を積み増す方針だ。
海洋進出が激しい中国を念頭に、沖縄周辺などの離島防衛を強化する。北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返しており、ミサイル防衛(MD)など装備調達を進める。サイバー攻撃などへの対応も進める。
30年度までの5年間の中期防衛力整備計画(中期防)では、対象経費について年平均0.8%増を見込む。政府は29年度も0.8%程度の伸びを維持する考えだ。トランプ次期米大統領が同盟国の負担増を求めており、米国からの防衛費増額の圧力も背景にあるとみられる。
防衛費は28年度に5兆541億円と初めて5兆円を突破した。