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海保船舶の35%が耐用年超過 更新進まず運用に不安 中国船対応などで重要性は増すが…

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海保船舶の35%が耐用年超過 更新進まず運用に不安 中国船対応などで重要性は増すが…

 海上保安庁の巡視船と巡視艇計366隻のうち、昨年度末までに耐用年数を超えた船が35%の129隻に上ることが5日、分かった。昭和52年の領海拡大と漁業水域設定を受けて大量建造した船の更新が進んでいないのが理由。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国船への対応などで海保の役割の重要性は増しているが、予算の制約の中で必要な船舶をどう確保するかや、効率的な運用方法が課題となっている。

 海保は外洋で活動する比較的大型の巡視船の耐用年数を25年、主に沿岸を警備する小型の巡視艇を20年としている。しかし、昨年度末でこの基準を129隻が超えた。本年度末までにさらに6隻、その後10年で98隻が超過する見込み。

 背景には、昭和52年に制定された領海法で、領海が沖合3カイリ(約5・5キロ)から12カイリ(約22キロ)に拡大したことなどがある。

 海保の活動域は一気に広がり、52~55年に計107隻を新造した。これが、平成12年ごろから更新時期を迎えたが、巡視船の建造費は大型だと100億円以上かかる一方、海保が巡視船艇などの整備に充てる費用はここ数年、300億円前後(当初予算)で推移。老朽化の影響が最も出るのがエンジンで、出力が落ちスピードが出なくなる。

 海保は「古い船はスピードをあまり必要としない業務に回すなど、用途に応じて運用している」とするが、「突然の不具合で任務がこなせなくなったこともある」と打ち明ける保安官もおり、現場の危機感は強まっている。

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