産経ニュース

【国民の自衛官 横顔(4)】陸自第6施設大隊・佐々木清和1等陸尉 津波で家族失い 体験語り継ぐ

ニュース 政治

記事詳細

更新

【国民の自衛官 横顔(4)】
陸自第6施設大隊・佐々木清和1等陸尉 津波で家族失い 体験語り継ぐ

「語り部」として自らの震災体験を伝えている佐々木清和1等陸尉 =山形県東根市の神町駐屯地(森山昌秀撮影) 「語り部」として自らの震災体験を伝えている佐々木清和1等陸尉 =山形県東根市の神町駐屯地(森山昌秀撮影)

 平成23年3月11日。東日本大震災による津波で宮城県名取市の自宅が押し流された。妻、りつ子さん=当時(42)、長女、和海(かずみ)さん=同(14)、妻の両親の5人家族。自らは陸自船岡駐屯地(宮城県柴田町)で勤務中だった。「みんな避難して無事だろう」と信じたが、自身の携帯電話に着信記録がなく不安がよぎった。10日後に和海さん、翌日はりつ子さんらと悲しみの対面を果たした。

 有事に道路や橋の構築・修復を通じ戦闘支援する施設科に所属する。大地震などでは瓦礫(がれき)の撤去活動などに従事する災害派遣のプロ集団だ。昭和57年の入隊以来、阪神大震災、有珠山噴火、中越地震と数々の災害現場を経験。東日本大震災では自らも被災者でありながら、約70人の隊員を率いる中隊長として宮城県石巻市と駐屯地を往復した。

 「自分が弱さを見せたら多くの人命救助に従事する部隊の士気に関わる。痩せ我慢でも自分なりに気を張っていたつもり」という。

 昨年6月、名取市の津波復興祈念資料館の依頼で語り部のボランティアを始め、8月までに計18回、約800人に自身の体験を伝えた。「自分の身を守るため津波の危険があればとにかく逃げること、家族との平凡な日常生活のありがたさを訴えている。それが自分の務めだと思っている」

 現在は山形県東根市の神町駐屯地に勤務。帰宅後、「今日も暑かったよ」などと語りかける仏壇の傍らには、今年、成人を迎えるはずだった和海さんのスーツが用意してある。(森山昌秀)

 主催 フジサンケイグループ

 主管 産経新聞社

 協力 防衛省

 協賛 日本防衛装備工業会、防衛懇話会、タカラベルモント、青山メインランド

 特別協賛 航空新聞社

「ニュース」のランキング