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【匿名社会の闇】地方自治体はなぜ災害時に行方不明者を匿名にするのか? 法的根拠もない「実名非公表」は決して許されない

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【匿名社会の闇】
地方自治体はなぜ災害時に行方不明者を匿名にするのか? 法的根拠もない「実名非公表」は決して許されない

 10日で発生から1年が経過した東日本豪雨をめぐっては、鬼怒川決壊で甚大な被害が出た茨城県常総市で連絡の取れない市民の氏名を非公表としたことが批判されたが、8月30日に台風10号で甚大な被害が出た岩手県岩泉町でも、再び同様の問題が生じている。災害の度に繰り返される行方不明者の匿名公表。専門家からは「非公表とするのは法的根拠が薄い」との声も上がる。近年は毎年のように風水害が発生しており、安易な自治体の「責任逃れ」を許さぬよう、国レベルで個人情報のあり方を議論すべき時期が来ている。(市岡豊大、小林佳恵)

 昨年9月、常総市は鬼怒川決壊の後、「連絡が取れない人」として15人の数字を発表したが、氏名は明らかにしなかった。捜索が続く中、発生5日後になって突然、14人の無事確認と残る1人が虚偽通報だったことが発表された。

 関係機関との連携にも疑問符が付く。県警に行方不明情報が寄せられても県や市のリストに入らず、市の発表した15人と別に2人の死亡が確認される結果となった。

 一方、岩手県岩泉町のケースでは「安否未確認者」の数を地区ごとに公表したが、数は毎日変動した上、県の発表と食い違った。発生6日目になって県と照合したが、食い違いの原因は町が死亡者を計上し忘れるなどの「単純ミス」(同町)だった。この時点で県警はすでに「安否未確認者」の全員が、死亡している可能性の高い「行方不明者」とみて集中捜索に乗り出していた。

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