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【正論】いま最も信頼できる拒否的抑止はミサイル防衛だ 北朝鮮が挑む国防技術競争に勝て 防衛大学校教授・倉田秀也

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【正論】
いま最も信頼できる拒否的抑止はミサイル防衛だ 北朝鮮が挑む国防技術競争に勝て 防衛大学校教授・倉田秀也

防衛大学校教授・倉田秀也氏  防衛大学校教授・倉田秀也氏 

≪拒否的抑止にかかる負担≫

 これに対して、敵対国が行使する武力を無力化する用意を示す拒否的抑止は、敵対国の武力行使を防げなかったとき、あるいは 自滅覚悟の不合理な武力行使を行った場合、その被害を極小化する手段に転ずる。そして現下、最も信頼できる拒否的抑止はミサイル防衛をおいて他にない。最近、韓国が高高度防衛ミサイル(THAAD)導入の決断を下した背景には、懲罰的抑止の限界もある。

 かつてレーガン米政権は、ソ連の核ミサイルに対して、宇宙空間での迎撃をその支柱とする戦略防衛構想(SDI)を推進した。「スターウォーズ計画」と呼ばれたこの構想は、ソ連に過大な負担を強い、やがて冷戦に終止符が打たれる大きな要因となった。それは振り返ってみれば、米ソ間の国防技術の熾烈(しれつ)な競争でもあった。

 北朝鮮の核弾頭量産化とわが方の拒否的抑止の相克もまた、国防技術の競争になる。ただ、この競争は総じて防衛する側により多くの負担を強いる。攻撃する側が時期、手段を任意に選択できるのに対して、防衛する側はその選択の全てに対応しなければならないからである。だが、この競争に負けるわけにはいかない。(防衛大学校教授・倉田秀也 くらたひでや)

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