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【「生前退位」ご意向】恣意的な退位排除、「称号」など課題 皇室典範改正

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【「生前退位」ご意向】
恣意的な退位排除、「称号」など課題 皇室典範改正

 現行の皇室典範には「生前退位」についての規定がない。天皇陛下のご意向に沿い、改正に向けた議論が始まる見通しだが、課題は少なくない。

 昭和22年に制定された皇室典範は、皇位の継承を「皇統に属する男系の男子がこれを継承する」と規定。順位を(1)皇長子(2)皇長孫(3)その他の皇長子の子孫-などと定めている。第4条に「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」とあるだけで、生前退位についての記載はない。生前の退位は江戸時代後期の光格天皇以降、約200年にわたり例がない。

 このため、生前退位を可能とする規定を新たに盛り込まなくてはならないとの指摘がある。さらに、単に規定を設けるだけでなく、どういう場合に生前退位ができるかという要件も定める必要もある。麗沢大の八木秀次教授(憲法学)が「天皇陛下のお気持ちに沿って退位されるということでなければならない。恣意(しい)的に退位させられるようなことがあってはいけない」と警鐘を鳴らすように、天皇の意に反して退位させられる可能性を排除しなくてはならないためだ。

 また、天皇陛下が退位された後の「称号」も検討課題の一つとなる。かつては譲位した天皇は「上皇」と称されたが、現行の皇室典範には記載がない。

 八木氏は皇室典範の改正議論に関し、「政府関係者だけでいいのか、有識者会議のようなものを設けるのか。そこもしっかりと検討していかなければいけない」と指摘している。

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