産経ニュース

【宮家邦彦のWorld Watch】北朝鮮ついに崩壊…その時日本は国益を守れるか

ニュース 政治

記事詳細

更新

【宮家邦彦のWorld Watch】
北朝鮮ついに崩壊…その時日本は国益を守れるか

北朝鮮のミサイル再発射に備え、東京都新宿区の防衛省敷地内に配備されたPAC3=18日 北朝鮮のミサイル再発射に備え、東京都新宿区の防衛省敷地内に配備されたPAC3=18日

 かくして今回米韓作戦計画は発動されず、米韓日の初動は遅れた。日本はもちろん、米韓間でも、何が戦略的利益かにつき認識のズレがあった。現実の世界でも、欧州や中東で忙殺される米国が北朝鮮内戦に慎重対処し、初動が遅れる恐れは十分あると感じた。

 米韓が国連軍として行動できない中、中国は北朝鮮新政権からの要請を理由に、中朝友好協力相互援助条約に基づく派兵を正当化した。危機の際の軍事行動には、常に国際的大義名分を詰めておく必要があることを痛感した。

 残念ながら、主要国政府は日本など眼中になかった。北朝鮮政変に際し、日本チームの時間の大半は邦人保護、拉致問題など国内問題に費やされ、国益に関する議論に明確な結論は出なかった。新安保法制があるにも関わらず、自衛隊による軍事力行使の議論は進まず、日本の初動は大幅に遅れた。

 しかも、今回のように米国が朝鮮半島危機に慎重に対応する場合は日本としても動きにくい。結果的に、日本は「蚊帳の外」に置かれることが多かった。

 最後に、今回のシミュレーションで得られた教訓を幾つか挙げておこう。

 日本の国益は、邦人保護だけでなく、中長期的利益を含むことを国民は知るべきだ。

 迅速かつ果敢な軍事的決断が全ての結果を左右することを国民は銘記すべきだ。

 そうした迅速な決断には政治レベルで、健全かつ正確な軍事知識が不可欠となる。

「ニュース」のランキング