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【習近平の蹉跌】日本よ、南シナ海の対中警備包囲網をリードせよ 山田吉彦(東海大教授)

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【習近平の蹉跌】
日本よ、南シナ海の対中警備包囲網をリードせよ 山田吉彦(東海大教授)

南シナ海・スプラトリー諸島のスービ礁=8月(デジタルグローブ提供・ゲッティ=共同)

 中国との調整は本会議の前夜、「場外」において行われた。中国の要望は、COCを今回の提案には織り込まないというもので、COCの協議に日本を絡ませたくないという意思が透けて見えた。結局、COCに関しては今回のプランで上程しなくても、COCだけでも議論が可能なので触れないことで合意したが、中国の要望には海洋のみならず上空の安全の問題も含まれており、この点は警戒しなければならない。会議からの日本外し、さらに米国の影響力排除につながる恐れがあるのだ。

 海上では、船は他国の領海でも自由に通航できる無害通航権を持つが、領土と領海の上空である「領空」の通過は、国家の主権の範囲にあり、自由に行うことはできない。つまり、南シナ海の海洋安全確保の議論であれば、自由通航が許されているため日本も海域利用者としての意見を述べることができるが、上空の問題となると南シナ海に領土を持たない日本は発言権を持たないことになるのだ。海洋と上空の議論を一体化することにより、日本と、そしてアメリカを「域外国」として、議論の場から排除しようというのが中国の狙いと考えられる。今回のプランでは海洋問題に絞り提案することになったが、今後も警戒が必要であることはいうまでもない。

 アジアの海洋安全保障協力は、本格的に動き出そうとしている。大国の力による現状の変更を阻止するためにも関係国の協力することは重要である。総合海洋管理のフレームづくりが進められ、海上警備機関の協力体制が確立すれば、いずれ、アジア諸国による合同海洋警備船隊の創設も可能となるだろう。海は人類共通の財産である。海の安全を守るためには国家の枠組みを超えて活動することが不可欠である。日本は、海洋国家日本はその中心となり、海洋アジアの地域力の強化のために貢献する必要があるのだ。

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