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【習近平の蹉跌】日本よ、南シナ海の対中警備包囲網をリードせよ 山田吉彦(東海大教授)

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【習近平の蹉跌】
日本よ、南シナ海の対中警備包囲網をリードせよ 山田吉彦(東海大教授)

南シナ海・スプラトリー諸島のスービ礁=8月(デジタルグローブ提供・ゲッティ=共同)

 最近も、冒頭に紹介したベトナムへの中古巡視船、新造船の供与のほか、2013年安倍首相がマニラを訪問した際に、フィリピンに対して政府開発援助(ODA)の資金を使い、10隻の巡視船を供与する方針を表明している。そして今年6月には10隻のフィリピン向け多目的船の新造が開始された。長さ44メートル、25人乗りの多目的船は、2016年から2018年にかけて、フィリピン当局に引き渡され、現地で改装されコーストガードの巡視船として活躍することになる。

NEATで日本主導の提案

 最近、アジアの海上警備に関する協力関係構築に向け、新たな外交的な動きが始まった。インドネシアのバンドンにおいてNEAT(東アジアシンクタンクネットワーク)の代表者会議があったのだ。この会議はASEAN+3(日中韓)に参加する国々のシンクタンク代表者が集まり、ASEAN+3首脳会議に上程する議題を決める会議だが、参加者は各国の外務省関係者も含まれていた。この会議が開催されるにあたり4つのワーキンググループが設けられ、代表者会議にそれぞれのプランが提出された。その4つのプランは首脳会議に上程される議題の候補としてこの会議で審議されるのだが、中国も含む全参加国が満場一致でなければ、廃案となるという厳しい条件も課される。

 4つのワーキンググループのテーマは、中国が中心となった「貧困の削減」、シンガポールが取りまとめた「持続可能な開発とより質の高い生活に迎えた都市計画」、タイにて作成された「交通システムのシームレスな連続性の構築-経済回廊における多様な交通システムへの移行」、そして、日本が中心となり提案した「東アジアの海洋安全協力」である。この日本中心の提案は、いわば海洋安全保障の問題であり、国家の主権の枠組みを超え、国際法に基づきアジア海域の海洋管理を行おうとするものだ。当初から白熱した議論が展開されることが予想されていたが、実は筆者も関わっていて、会議にも参加した。

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