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【月刊正論】ヘイトスピーチ規制法案の危険性は人権擁護法案より凄まじい! 八木秀次(麗澤大教授)

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【月刊正論】
ヘイトスピーチ規制法案の危険性は人権擁護法案より凄まじい! 八木秀次(麗澤大教授)

正論2015年10月号

 この点、自民、公明、民主、維新の4党で8月19日、法案への対応を協議したが、自民党の熊谷大参院議員が「(解釈の)間口が広がり、表現内容に踏み込むところもなきにしもあらず」と拡大解釈や表現の自由の規制につながることへの懸念を表明している。党幹部も「人権擁護法案のようなことにしてはいけない」と警戒心を示している(産経新聞、8月20日付)。共産党も5月23日、「民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、立法措置を含めて、政治が断固たる立場にたつ」(第三回中央委員会総会の報告)としつつも、「今回、民主党などが提出した法案については、『ヘイトスピーチ』や『差別』の定義が明確でなく、恣意的に拡大解釈されるおそれがあります」との小池晃政策委員長コメントを発表している。

 自民党や共産党の懸念は無理もない。法案の第十九条は「国及び地方公共団体は、人種等を理由とする差別の防止に関する施策の策定及び実施に当たっては、人種等を理由とする差別において権利利益を侵害され又はその有する人種等の属性が不当な差別的言動の理由とされた者その他の関係者の意見を当該施策に反映させるために必要な措置を講ずるものとする」との規定を設けるが、これは差別防止の施策の策定・実施においてヘイトスピーチなど「人種等」で「不当な差別」を受けたとする「関係者」の意見を反映させなければならないことを意味する。

 これによって「差別防止」の施策は「関係者」の牛耳るものとなる恐れがある。何が「差別」なのか、その定義が曖昧な中、関係者が「差別」と称する行為が差別とされることになる。

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