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【論戦 安保法制 識者に聞く】古庄幸一・元海上幕僚長 リスク、自衛官は覚悟の上

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【論戦 安保法制 識者に聞く】
古庄幸一・元海上幕僚長 リスク、自衛官は覚悟の上

 自衛官のリスクというなら、むしろ「身分」について本気で議論してほしい。国外に自衛官を派遣するとき、軍人として送り出すのか、それとも国家公務員として送り出すのか。

 日本は軍人の捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約に加盟していますが、明確に自衛官を「軍人」としなければ、万が一、他国軍の捕虜になったときに殺人犯として扱われる可能性がある。これこそリスクです。こうした議論が国会でほとんど出ないのは残念です。自衛官が死亡したときの名誉や処遇についての議論も十分とはいえません。

 安保法案に対し、「戦争法案」との批判もありますが、そうした人は本当に法案の中身を読んでいるのでしょうか。集団的自衛権の行使には世界に類のない厳しい要件がつく。実質的に行使はほとんど不可能に近い。これでどうやって戦争をするというのでしょう。

 ただ、全く行使できないのと、いざとなれば行使できるのとでは雲泥の差があります。特に日米同盟が持つ抑止力はさらに高まるはず。その意味で、今回の安保法制の意義は大きい。

 法案が成立すれば、米国をはじめとする他国軍との間でシナリオを設定して共同訓練を実施できます。さらに、基本的な共通の部隊行動基準(ROE)を作成することもできるでしょう。より実のある共同訓練や事態対処が可能になる。これらは現役時代から必要性を痛感していたことで、画期的な変化といえます。

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