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【歴史戦 第12部 戦後70年談話(下)】
「おわび」は原案から盛り込まれていた…迷走の朝日報道

悩んだ韓国「高度に設計された談話だ」
朝日と「おわび」などで同様の主張を繰り返してきた韓国の反応はどうか。
「物足りない部分が少なくないのは事実だ」
韓国大統領の朴槿恵(パク・クネ)は15日午前、日本による朝鮮半島統治の解放から70年を記念する「光復節」の式典で演説し、70年談話について語り始めた。
朴は、日本の歴代内閣が侵略と植民地支配、元慰安婦への「お詫び」「反省」を歴史認識の根幹としてきたと指摘した上で、談話についてこう続けた。
「歴代内閣の立場が今後も揺るぎないものであると、国際社会に明確にした点に注目する」
対日批判を抑制していることは明らかだった。
慰安婦問題についても「速やかに適切に解決することを望む」と言及したにとどまった。「問題解決が関係改善の前提になる」とした昨年の演説に比べると、その差は歴然である。
戦後70年の安倍晋三首相談話に関し、14日夜に出された韓国与党セヌリ党報道官の反応が注目された。
「反省とお詫びなどに言及した点では意味のある談話だ」と一部評価したからだった。
日本専門家からも、韓国側が求めてきた4つのキーワード(植民地支配、侵略、お詫び、反省)が曲がりなりにも全て含まれていた点は評価すべきだとの見解が相次いだ。
大統領、朴槿恵の演説の調整を続けていた大統領府の関係者は頭を抱えた。
「高度に設計された談話だ。分析が必要で世論も見極めなければならない」
結局、15日の演説まで公式見解は出なかった。
韓国メディアは談話を批判的に報じつつも、日韓関係は談話を超えて進んでいかなければならないとする主張を展開した。
東亜日報は社説で「安倍の恥知らずな歴史認識に失望と憤怒を感じる」と激しく批判しながらも、朴に注文をつけた。
「談話に失望したが韓日関係をさらに悪化させることが国益になるのか朴政権は熟考する必要がある」