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【転換への挑戦】元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

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【転換への挑戦】
元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

 しかし、それを境に「A級戦犯合祀」の批判が中国より豁然(かつぜん)として沸き起こってきた。「平和友好・平等互恵・相互信頼・長期安定」のもとに友好関係を深めてきた中国の胡耀邦総書記(注〔4〕)が苦境に立たされる可能性があるとの情報も入ってきた。中国を訪問した新日鉄の稲山嘉寛さん(注〔5〕)を通じても公式参拝を歓迎せぬ中国側の意向が伝わってきた。

 外交を考える上では、国益を考え、大局に立った大きな判断が求められる。一つには、アジアにおける日本の立場であり、アジアの一員としての信頼関係構築こそが第一義との判断がある。さらに言えば、当時、開放的で開明的、友好的であった胡耀邦氏の立場を日本が守らなければならないという強い思いもあったことも確かである。

 そうした状況の中で、私としては、以後の靖国神社公式参拝を続けることはとりやめることと判断した。ただ、個人の宗教心において私的参拝を否定したわけではない。また、合祀以降、天皇陛下の参拝が途絶えて久しい。参拝に支障があるのであれば、参拝できるように手を尽くすことは政治の責任である。

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