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【転換への挑戦】元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

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【転換への挑戦】
元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

 靖国参拝否定したわけではない

 そうした歴史の流れの中に、日本自身の歴史認識に対する論議が国内外で囂々(ごうごう)として続く。また、その延長線上にある首相の靖国神社参拝の問題も大きく揺れてきた。

 私は昭和60年8月15日、現職の首相として初めて靖国神社に公式参拝した。戦後40年ということで、日本遺族会からも首相に対する「靖国神社公式参拝」の一段と強い要請もあった。

 そのとき、すでにいわゆる「A級戦犯」は合祀(ごうし)されていたが、当時の靖国問題はむしろ憲法上の政教分離にあった。歴代首相も、政教分離に反するというマスコミや世論に配慮し、公式参拝であるかどうかを明言せぬままに参拝を続けてきた。

 私自身の考えは、日本の首相が一度は靖国神社に祀(まつ)られる英霊に崇敬の念とともに、公式に哀悼と感謝の誠をささげ、平和国家建設を誓うべきだとの強い思いがあった。実際、私の弟も靖国神社に祀られており、日本人として亡くなった霊に深く頭を垂れて慰めること自体はごくごく自然な当然の行為ではある。そのために、諮問機関「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」(注〔3〕)に憲法との整合性を検討してもらい、宗教色を薄めることで可能との結論を得て、靖国神社公式参拝を断行した。

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