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【転換への挑戦】元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

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【転換への挑戦】
元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

 私が属した海軍でも日米の歴然たる国力差を認識していた。当時の日米の国力比の見積もりは、1対4、1対10、1対20とさまざまであったが、いずれにおいても長期戦になると勝てない、との結論であった。当時の政権もそれを知っていたが、本来なら冷静な戦略判断の下、外交交渉において戦争を回避すべきところ、そうはなり得なかった。

 やはり、あの戦争は何としても避けるべき戦争であった。地上戦が行われた沖縄をはじめ広島と長崎での原爆の投下など300万人を超える国民が犠牲になり、日本本土への相次ぐ空襲によって国土は焦土と化した。

 政治にとって、歴史の正統的潮流を踏まえながら大局的に判断することの重要性を痛感する。歴史を直視する勇気と謙虚さとともに、そこからくみ取るべき教訓を学び、それをもって国民、国家の進むべき道を誤りなきように導かねばならない。政治家は歴史の法廷に立つ。その決断の重さの自覚無くして国家の指導者たり得ない。

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