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【転換への挑戦】元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

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【転換への挑戦】
元首相・中曽根康弘 戦後70年 前進の起点

 2度の大戦を経験した欧州と違い、アジアではいまだに民族的メンツや自尊心の要素が強い。国家間の力関係と利害が密接に絡み合いながら、歴史の葛藤が重なって国益が強く前面に押し出されながら、ナショナリズムの高揚とともに争いが惹起(じゃっき)される。

 こうした中で、かつては首脳同士の信頼関係で成り立っていた国家間の信頼関係も、最近では世代交代によって人間関係が希薄になりつつあることを心配する。日本のみならず、世界の指導者にそうした懸念を覚える。また、ナショナリズムは健全で中庸を得たものでなければならないし、トップ同士の信頼によって不用意に起こりうるナショナリズムの対立を未然に防ぐべきだ。そのためにも、相互理解のための多層的で多面的、多重的な人間関係構築の継続的努力をしていかなければならない。

 憲法に「日本の価値」を入れよ

 戦後からの歩みの中で、憲法問題は最も重要な課題でありながら、憲法改正はいまだ実現を見ないでいる。憲法改正は、私にとっても政治人生における大きなテーマであり、28歳の衆院初当選から一貫して主張してきた。

 現憲法は日本の繁栄を支える大きな基礎となったことは評価できる。自由や平等、民主主義や平和といった国際的に普遍性のある考えが受け入れられ定着もした。しかし、日本の歴史の中で育まれた日本人の民族固有性は、残念ながら書き込まれていない。

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