産経ニュース

【正論】「特殊な国」からの脱皮を目指せ 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛

ニュース 政治

記事詳細

更新

【正論】
「特殊な国」からの脱皮を目指せ 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛

 問題はその過程で、海外派遣される自衛隊から犠牲者が出る「リスク」をめぐり、野党の質問と政府答弁の双方に見られる不可解さです。

 まず政府答弁ですが、外相と防衛相は「リスク」の増大を否定しました。そうでしょうか。常識で考えて、海外派遣の範囲も役割も拡大するので、「リスク」は増えます。なぜそう答弁しないのでしょう。不幸にして自衛官から死者が出る場合、政治家として責任を取るとなぜ言えないのでしょう。

 ≪騒ぎを収束させた政治家の態度≫

 この問題を私は20年前に、当時のドイツを題材にして本欄で論じました。自国を同盟国の領域外に兵を出さないとしてきた憲法解釈を変えて、ボスニア・ヘルツェゴビナに出兵するに際し、野党議員が「亜鉛の柩(ひつぎ)」が戻ってきたらどうするのか、と詰問します。

 外相は柩の傍らで国防相ともども夜伽(よとぎ)をすると断言、それで騒ぎは収まりました。政治的責任をとるとはそういうことですが、この態度がわが国の政府には残念ながら欠けています。

「ニュース」のランキング