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北、あからさまな外貨狙い…遺骨返還経費の上乗せ要求 「拉致外し」も狙う

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北、あからさまな外貨狙い…遺骨返還経費の上乗せ要求 「拉致外し」も狙う

 政府が北朝鮮と拉致問題とともに交渉している終戦前後に北朝鮮で埋葬された日本人の遺骨収集で、北朝鮮側が返還費用の上乗せを日本に要求してきていることが20日、分かった。北朝鮮は拉致被害者らの再調査の報告を先送りする一方、報告に積極的な遺骨問題で日本政府に揺さぶりをかけてきている。

 政府関係者によると、北朝鮮は日本人の遺骨が埋葬された土地や墓地の地域が開発計画地域となっていて「特別な経費がかかる」として費用の上乗せを求めている。政府は安易に費用負担に応じれば、北朝鮮への単なる経済支援になってしまうため、拉致問題との一体的な解決を目指す。

 北朝鮮における遺骨収集事業では、米国が朝鮮戦争で戦死した米兵士の遺骨に1柱2万ドルを支払っており、日朝両政府は水面下の交渉で米国の例を基準にしていた。北朝鮮の要求は、外貨獲得の上積みを目指すとともに、交渉の焦点を拉致問題からずらす狙いもあるとみられる。

 北朝鮮は今月2日、「1年程度」としてきた再調査報告の期限を先送りした。拉致被害者の生存情報を含めず遺骨問題などを先行的に報告する姿勢を崩していない。また、1年近く実現していなかった日本人遺族の墓参のための訪朝を認め、遺族ら約10人が8月に訪朝することになった。

 北朝鮮が遺骨問題の進展をアピールするだけでなく、訪朝した遺族に調査状況を説明する可能性も排除できない。政府は遺骨問題が先行しないよう慎重に対応する方針だ。

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