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【正論】大国間戦争を回避する集団防衛 京都大学大学院教授・中西寛

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【正論】
大国間戦争を回避する集団防衛 京都大学大学院教授・中西寛

 しかしこの政策は、アメリカの攻撃的な抑止力に依拠してはじめて可能であったことを忘れてはならない。アメリカの抑止力とは、具体的にはグローバルな核抑止力と、日本、韓国、米中国交樹立までの台湾などに配備されていた極東米軍の前方展開であった。こうした国際政治環境が、上記のような政策および憲法解釈を可能にしていたのである。

 しかし今日、スマート兵器の発達により、核抑止力だけでなく通常兵力による抑止が重要となった。たとえば北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛は、日米の対弾道ミサイルや宇宙に配備された警戒衛星などからなるシステムに依拠している。この時、たとえば、公海上の米艦へのミサイル攻撃に自衛隊が対応しないと宣言することは、技術的にも政治的にもミサイル防衛システムの信頼性を低下させる。

 あるいは東シナ海で日中の海洋警察部隊間で緊張が高まったとき、中国海軍の介入を牽制(けんせい)するために日米海軍が警戒活動を行うような場合、日本がイージス艦を提供し、米艦船の防衛を受け持ったり、米イージス艦への接近攻撃への防衛を受け持ったりすることが考えられる。こうした場合について、本来は集団的自衛権の行使として明確化すべきである。

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