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【よく分かる安全保障法制】(下)グレーゾーン事態、島を守り切れぬ現行法

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【よく分かる安全保障法制】
(下)グレーゾーン事態、島を守り切れぬ現行法

 そのため、自民党と公明党は昨年6月の与党協議会で、治安出動や海上警備行動の手続きを見直し、自衛隊が迅速に出動できるように改めることで合意した。自衛隊出動の判断を事前の閣議決定で首相に一任するというものだ。

 ただ、この措置は法改正ではなく、公明党の主張を受け入れ、「運用改善」で取られることになった。公明党が最も慎重だった集団的自衛権の行使容認をめぐる議論を優先させるため、協議を前に進めたい自民党側が折れた形だった。

 自民党は当初、グレーゾーン事態に対処するため、自衛隊法を改正し、自衛隊の武器使用基準を見直すよう求めてきた。防衛出動ではないときの武器使用は、警察官職務執行法で相手の武装や武器使用に比例し、制約される。このため、十分な対処ができない恐れがあるからだ。

 現行法の枠内でも治安出動のときなどは警職法を超えて武器使用が認められるとされるが、主権侵害に対する備えとしては武器使用の拡大は不可欠だ。自民党側は新たな法整備を「今後の研究課題」としている。

 また、グレーゾーン事態への自衛隊の権限を強化すれば、治安維持機能を担う警察は権限が縮小することから、防衛省と警察庁の縄張り争いも法整備の阻害要因になっているとも指摘される。

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