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【評伝】故岡崎久彦氏 「エレガントなサムライだった…」

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【評伝】
故岡崎久彦氏 「エレガントなサムライだった…」

千葉「正論」懇話会で熱弁をふるった岡崎久彦・元駐タイ大使=平成20年9月26日(佐藤修撮影)

 岡崎さんというと知性の人という印象が強いが、日本を危うくするものに対しては、いかなる批判も恐れることなく、言論で戦いを挑む気迫を持っていた。

 そのよい例が遊就館の反米展示を批判した平成18年8月24日の産経新聞「正論」欄の文章である。

 《戦時経済により、アメリカが不況の影響から最終的に脱却したことは客観的な事実であろうが、それを意図的にやったなどという史観に対しては、私はまさに(米保守派論客のジョージ・)ウイル氏が使ったと同じような表現-歴史判断として未熟、一方的な、安っぽく、知性のモラルを欠いた、等々の表現-しか使いようがない》と、米国が不況脱却のために資源の乏しい日本を経済制裁によって戦争に追い込み、これにより米経済は回復したという史観を批判した。

 その上で、《私は遊就館が、問題の個所を撤去するよう求める…この安っぽい歴史観は靖国の尊厳を傷つけるものである。私は真剣である。この展示を続けるならば、私は靖国をかばえなくなるとまであえて言う》と強い覚悟を示した。

 この文章が保守陣営、特に反米保守といわれる人々に与えた衝撃は計り知れなかった。(桑原聡)

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