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極東LNG計画 避け難い「ロシアリスク」 調達の多角化に影響も…

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極東LNG計画 避け難い「ロシアリスク」 調達の多角化に影響も…

 ガスプロムの首脳が、日本が参画を検討する極東の液化天然ガス(LNG)開発の一部計画を撤回する可能性を示唆したことは、国際政治が色濃く影を落とすロシアとの共同事業の難しさを浮き彫りにした。政府はLNG調達価格を引き下げようと調達先の多角化に取り組む。ロシアはその「重要なカードのひとつ」(政府筋)だけに、ロシア相手の“資源外交”のリスクが際立つ。

 ガスプロムはロシアの政府系天然ガス独占企業で、ロシア政府の強い影響下にあるとされる。同社首脳が極東ウラジオストク郊外のLNGプラント建設計画の撤回をにおわせたことは、「ウクライナ情勢をめぐる経済制裁で欧米と共同歩調をとる日本への揺さぶり」(外交筋)の意図が見え隠れする。

 もっとも、計画参画を検討する日本企業では、こうしたロシア政府系企業の特徴は織り込み済みだ。

 ロシアは経済制裁を受けて、中国への供給シフトを強めている。ある日本の大手商社の幹部は「プロジェクトが白紙になったわけではない」と冷静に受け止めており、今後の動きを注視する構えだ。

 資源エネルギー庁によると、日本の天然ガス調達に占めるロシアの割合は9・8%。最大のオーストラリアが20・5%を占め、これにカタール(18・4%)とマレーシア(17・1%)が続く。ロシアとの開発計画の凍結が、日本の調達に与える直接の影響は小さい。

 ただ、日本は東日本大震災後に増えたLNGの調達価格の高止まりを打開するため、一部の資源国への調達依存度を下げ、調達交渉を有利に進めようとしている。ロシアは地理的に日本と近く、輸送コストが低く抑えられる利点もある。ロシア側の出方によっては資源調達戦略の再考を迫られる可能性もある。

(塩原永久)

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