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【島が危ない 北の海の火種(3)】“見殺し”に等しい劣悪医療環境、物価は本土の「倍」…日本人が安心して暮らせぬ「理不尽」

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【島が危ない 北の海の火種(3)】
“見殺し”に等しい劣悪医療環境、物価は本土の「倍」…日本人が安心して暮らせぬ「理不尽」

 「突然、心筋梗塞になったとする。ヘリは1時間かけて飛んできて、また1時間かけて病人を搬送する。それだけで2時間かかる。ヘリが飛ぶという決定が出るまでの時間を入れると3時間から4時間はかかる。しかも夜間は飛ばない」

 小野町長は診療体制が十分でないことを認め、表情を曇らせた。

 医療体制が万全でないのは利尻島も同じだ。

 利尻島では、利尻富士町と利尻町が共同で利尻島国保中央病院(48床)を経営している。医師は設立当時は4人いたが、現在は3人に。内科、外科、産婦人科などがあるが、出産は稚内や札幌の病院で。外科も大がかりな手術はできない。

 利尻富士町には町立と道立の診療所が2軒あるが、医師はいずれも1人。重病の場合は、救急車で国保中央病院に搬送した後、稚内や旭川、札幌の病院にドクターヘリや道警、自衛隊のヘリで救急搬送する。

 利尻富士町の田村祥三町長(60)は「脳梗塞や心筋梗塞という緊急を要する病気は時間との戦いだから、患者は大変だ。亡くなった患者の遺族からは『近くにあれば助かった』という声も聞く。どこの離島でも同じでしょうけど、安定した医療を受けさせたい」。

 医療は命に関わるだけに切実な問題だ。

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 国境離島の場合、住民が抱えるのは医療問題だけではない。物価高も生活を苦しめる。

 9月初旬、利尻富士町のコンビニをのぞいた。ホウレンソウ1束268円、大根1本188円、長ネギ1束(2本)198円…。本土より倍近くするものもある。別の雑貨店ではミカンが1個100円もした。

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