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【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】
目配り欠く女性政策
確かな戦略を感じさせる外交・安全保障政策に比べ、現在の安倍晋三政権の女性政策は目配りが欠けていないか。
人間の生き方や価値観は極めて多様であるために、全ての女性が満足する政策を打ち出すのは難しい。とはいえ、男女共同参画路線をひたすら突っ走るような現在の政策は将来に禍根を残しかねない。なによりも、首相の掲げる美しい日本を取り戻すという大きな理念と、現在の女性政策は必ずしも一致しない。
小泉純一郎政権のときも、夫婦別姓法案が成立しそうになった。あのとき、山谷えり子氏らが問題点を説き、自民党は踏みとどまった。いま、自民党が、日本のよき価値と伝統を重視する政党として、偏った男女共同参画路線を修正できるかが問われている。
現在注目の女性政策は指導的地位に占める女性の割合を2020年までに3割以上に増やすというものだ。待機児童ゼロを目指して保育園をふやすことも、子供の健全な発育のために家庭教育を重視することも、配偶者控除を見直すことも、同時進行で論じられている。
決して同じ方向を向いているわけではない政策の組み合わせだが、それでも働きたい女性、共働き世帯への熱い支持は大変結構なことだ。だが、専業主婦やパートで働く女性たちへの配慮は十分か。とりわけ配偶者控除を見直すのかと問わざるを得ない。
