産経ニュース

【集団的自衛権 識者に聞く(中)】「国際協調へ行使要件厳しすぎる」 西元徹也・元統合幕僚会議議長

ニュース 政治

記事詳細

更新

【集団的自衛権 識者に聞く(中)】
「国際協調へ行使要件厳しすぎる」 西元徹也・元統合幕僚会議議長

 自衛隊の現場が長年悩み、苦しんできた問題を閣議決定で取り上げている。政治の世界は交渉、妥協、コンセンサス(合意)の繰り返しなので完璧なものは無理だろうが、重要な一歩を踏み出した。高く評価できる。

 懸念しているのは、武力行使の3要件の一つを「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」としていることだ。特に「根底から覆される明白な危険」という要件は厳しすぎる。自国のことだけを考えるならば、それでいい。しかし、国際社会全体の協調を考えた場合、果たしていいのか。

 平成5(1993)年から6年の朝鮮半島は緊張で、いつ戦争が勃発してもおかしくなかった。米軍は詳細な展開計画を作って、日本に支援協力を求めてきた。彼らが最も強く求めたのは補給、整備、医療などの後方支援だ。自衛隊が後方支援をすれば、米軍の後方支援部隊を戦闘に振り向けられるからだ。米軍は「一緒に戦闘してくれ」とは求めないが、後方支援は切実な要請だった。しかし、当時のわれわれには後方支援を可能とする法律がなかった。

 そのとき、統合幕僚会議議長だったが、米軍の担当者は幕僚に「後方支援は日本の防衛そのものではないのか。なぜ、こんなことができないのか」と激しく詰め寄ってきた。

「ニュース」のランキング