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【角栄の流儀・小渕恵三元首相編(中)】「日本発の恐慌」回避になりふり構わず財政出動

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【角栄の流儀・小渕恵三元首相編(中)】
「日本発の恐慌」回避になりふり構わず財政出動

「やれること何でも」

 景気対策でも、小渕政権は「とにかく資金を投入して対応を急ごうとした」(蔵相経験者)。前任の橋本内閣が打ち出した赤字国債の発行を制限している財政構造改革法(財革法)の凍結を決定。行政改革や緊縮財政から一気に積極財政へとかじを切った。

 当時としては一般歳出の伸びが最大規模となる11年度予算を編成したほか、3度にわたる補正予算で大型の景気対策を打ち出した。公明党の提案を受け入れた総額7千億円の地域振興券の発行をはじめ、児童手当の拡充や中小企業向けの貸し渋り対策としての特別信用保証制度の創設・拡大、整備新幹線の建設促進…。小渕政権の自治相だった自民党税調会長の野田毅は「やれることは何でもやった」と述懐する。

 その結果、金融不安は収束に向かった。だが、小渕政権が発行を決めた国債は約84兆円で、国と地方を合わせた長期債務残高は12年度末に645兆円に膨らんだ。たちまち小渕は「借金王」と皮肉られた。地域振興券は、田中角栄の「列島改造論」、師匠の竹下登の「ふるさと創生」事業の予算規模と比べるまでもないが、同様の「効果の薄いばらまき政策」という批判にさらされた。

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