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【角栄の流儀・小渕恵三元首相編(中)】「日本発の恐慌」回避になりふり構わず財政出動

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【角栄の流儀・小渕恵三元首相編(中)】
「日本発の恐慌」回避になりふり構わず財政出動

 平成10年7月29日。退陣した元首相、橋本龍太郎の後継に選出された小渕恵三は、元首相の宮沢喜一の個人事務所を訪ねた。蔵相での入閣を頼むためだった。

 「ぜひお願いしたい」

 軽井沢で静養していた宮沢は、電話での入閣要請を固辞していた。

 ならば軽井沢へ出向くという小渕の申し入れに折れて宮沢は上京した。だが、個人事務所で直接、頼み込んでも「今さら出る幕ではない。年を取ると判断を誤ることもある」と慎重姿勢は変わっていなかった。ついに小渕が詰め寄った。

 「応じていただけないなら組閣を諦めなければいけなくなる」

 景気低迷に、銀行の不良債権問題…。大手銀行さえ揺らぐほどの金融不安に陥り、「日本発の世界恐慌」の懸念もささやかれていた。経済通で海外にも知己の多い首相経験者の宮沢を蔵相に置くことで、経済再生に懸ける強い姿勢を打ち出すことを狙った。

 小渕が経済政策のために政権中枢に据えたのは、宮沢だけではない。経済企画庁長官に元通産官僚で経済評論家の堺屋太一を起用したほか、大蔵省出身の宮下創平と柳沢伯夫(はくお)を厚相と国土庁長官に配した。

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