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【視線】対馬へのこだわり 人が住んでこその国境防衛 編集委員・宮本雅史 

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【視線】
対馬へのこだわり 人が住んでこその国境防衛 編集委員・宮本雅史 

 対馬は、古くは魏志倭人伝や古事記、日本書紀にも登場。古代から大陸との外交の要所であると同時に、国家防衛の最前線基地として大きな役割を果たしてきた。島全体が、国土防衛の要の地として、歴史を刻んできたのである。そんな島が、外国資本に侵食されているのである。

 対馬市によると、島の人口は昭和35年に6万9556人だったが、平成22年には3万4407人と半減した。対して韓国人観光客は年々増え、年間訪問者数は今や人口の5倍から6倍に達している。もし、このまま、経済疲弊と過疎化、島民の減少が進み、韓国人の数が増えていくとどういう事態になるのか。沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島の現状がその答えではないのか。

 韓国資本が対馬に進出する意図はさまざまだろう。主権国家として、外国資本が不動産に触手を伸ばすことに規制をかけるのは当然だが、同時に、島民が本土に住む国民と同じような条件で暮らせるような施策が必要となっているのではないだろうか。

 島国であるわが国は、尖閣諸島、竹島、北方領土を抱え、言いがかりとしかいいようがない中国、韓国、ロシアの主張と行動に苦しめられ続けている。対馬は今、そうした事態の前哨戦に近い様相を呈しているというと大げさだろうか。これは対馬にとどまらず日本全体にかかわる問題である。

 政府には、対馬の現状と真摯(しんし)に向き合い、島民の生活を「守る」ことが求められている。まごまごしている間にも、対馬の過疎化は進み、韓国資本の進出がさらに顕著になるのは火を見るより明らかだ。

 経済疲弊と過疎化は、対馬に限らず多くの国境離島が抱える共通の課題といえる。領土を守るのは法律だけではない。そこに日本人が住むことで守られることを国民は肝に銘じるべきではないだろうか。(みやもと まさふみ)

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