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【視線】対馬へのこだわり 人が住んでこその国境防衛 編集委員・宮本雅史 

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【視線】
対馬へのこだわり 人が住んでこその国境防衛 編集委員・宮本雅史 

 連載「島が危ない」で、再び、国境の島、長崎県・対馬を取り上げた。5年前の「対馬が危ない!!」に続いて2回目の連載になるが、この島にこだわるのには、それなりの理由がある。

 前回、対馬市美津島町竹敷の海上自衛隊対馬防備隊本部の隣接地をはじめ、島内の土地や民宿などの不動産が韓国資本に買収されていることを報告した。その後も、防備隊隣接地のさらに隣の土地約1900平方メートルが別の韓国資本に買収されたことが昨年の国会で明らかにされるなど、状況は悪化している。

 政府はこうした現実を踏まえ、外国資本の不動産買収に歯止めをかける新法制定の動きを加速させてはいる。だが、対馬を再取材するのにしたがって、規制するだけで事足りるのだろうかという疑問が頭をもたげてきた。

 対馬の島民が不動産を手放すことに強い危機感を示す国民は多い。島民自身も5年前までは、その多くが韓国資本の進出に敏感に反応していた。ところが今回、島民のそうした抵抗感が希薄になりつつあると実感した。積極的には受け入れたくないが、受け入れざるを得ないという、あきらめが島を覆っていた。理由は経済疲弊と過疎化だ。早く言えば、生きていくためにはやむを得ないということだ。

 数年前、沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が、米軍普天間飛行場の移設問題と沖縄振興策の関連について、「かすみを食って生きているわけじゃないですから…」と言葉少なに話したのを思いだした。沖縄県民にとって振興策は生きる糧であり、対馬に置き換えると、韓国資本は今や、島民の生きる糧になってしまっているのである。取材を進めれば進めるほど、経済不況にあえぎ、生きるすべを模索する国境離島の苦渋の決断だということが明らかになってきた。

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