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【正論】日本財団会長・笹川陽平 少子化も視野に養子法の制定を

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【正論】
日本財団会長・笹川陽平 少子化も視野に養子法の制定を

 ≪早期の養子縁組こそ現実的≫

 例えば、特別養子縁組に関し生後3カ月間、実母から同意を得るのを禁止している点である。出産後、なお実母の気持ちに変わりはないか確認する期間のようだが、子供を育てられないケースには、同級生にレイプされた女子高生や父親の子をはらんだ少女など、あまりに悲惨な事例が多い。

 誰にも相談できないまま中絶可能期間を過ぎ、解決策もないまま出産し遺棄や殺害に走る。こうしたケースは昨年、報道されただけで25件、半数近くは出産直後の殺害、遺棄致死だった。出産前に引き取ってくれる養親が決まっていれば、その危険性は減り、直後に養親の家庭に引き取られれば、赤ちゃんと養親との親子関係も形成されやすい。出産後の育児が不可能とはっきりした時点で特別養子縁組手続きに入った方が、母子双方の救済につながる。

 最近、問題化している「寄付」に関しても、児童福祉法が禁ずる営利を目的とした養子あっせんは論外として、特別養子縁組制度を社会に健全に定着させるには、実母に対するケアや養親との面談、団体を運営するための人件費など資金的裏付けが欠かせない。事業の社会性から見ても、公的支援の強化が検討されるべきではないか。われわれも、ささやかながら支援したいと思う。

 このほか、生みの親との関係で出生地から遠く離れた地域で育つ方が幸せな場合や、国内より外国の方が成育環境が合う混血児童もいると思う。特別養子を望む夫婦に関する情報を全国の児童相談所、民間機関、産科婦人科医院など関係機関で共有し、特別養子が妥当と思われるケースとのマッチングを広く調べ、赤ちゃんに最も恵まれた組み合わせを模索するシステムを構築する必要もあろう。

 ≪20万を超す中絶件数≫

 子供は国の宝であり、いかなる妊娠であっても生まれてくる子には幸せに生きる権利がある。12年に生まれた新生児は1899年の統計開始以降最低の103万人。少子化が進む一方で推定中絶件数は20万を超える。

 出生率を上昇させるには、社会全体で生まれてくる子供を支え合う態勢の整備が欠かせない。そうした努力を重ねる中で初めて中絶件数の減少、さらには少子化問題解決の糸口が見えてくる。(ささかわ ようへい)

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