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【名言か迷言か】人命は地球より重いのか

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【名言か迷言か】
人命は地球より重いのか

 第2次安倍内閣発足以降、初の首相外遊となった1月の東南アジア諸国歴訪は、さまざまな意味で因縁めいたものであった。

 安倍晋三首相の祖父、岸信介が首相として初の訪問先に選んだのも東南アジア諸国だった。その後訪米したのも同じだ。東南アジア外交の基本原則として「福田ドクトリン」を掲げた福田赳夫は、岸側近中の側近だった。岸派の分裂を受けて福田が設立した派閥「清和会」(現清和政策研究会)は首相の出身派閥だ。戦後日本の東南アジア外交を担ったのは清和会である、と言ったら乱暴だろうか。

 「ご列席のみなさんは、わたくしの国が、この『福田ドクトリン』を忠実に信奉し、今日まできたことを誰よりもよくご存じです」

 1月18日、首相はインドネシアで予定していた外交演説で、こう述べるはずだった。しかし、アルジェリア人質事件を受け、首相は急遽帰国し、「開かれた、海の恵み」と題された演説原稿は幻に終わってしまう。実は、このアルジェリアも“清和会外交”との因縁がある。

 昭和52年9月、パリ発東京行き日航機をハイジャックした日本赤軍に対し、当時首相だった福田は「人命は地球より重い」と述べ、過激派服役囚を超法規的措置で釈放した上、身代金600万ドルを支払った。ダッカ日航機ハイジャック事件である。ハイジャック機は最終的にアルジェリアの空港に着陸し、犯行グループは投降した。

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