【総裁選所見発表詳報】(4)石破氏「成し遂げたいのはグレートリセット」 - 産経ニュース

【総裁選所見発表詳報】(4)石破氏「成し遂げたいのはグレートリセット」

自民党総裁選の所見発表演説会で演説する石破元幹事長=8日午後、東京・永田町の党本部
■石破茂
 地方創生大臣を2年務めました。食料を作り、エネルギーを作り、出生率の高い地方が滅んで、政治であり、金融であり、経済であり、文化であり、メディアであり、その中心の東京ではありますが、食料を作らず、エネルギーを作らず、出生率は全国最低。そこにヒトが集まる、モノが集まる、カネが集まる。そういう日本国は持続可能なものなのですか。
 私は地方に雇用と所得、そのことは絶対に必要だと思います。おかしくないですか。鉄道が発達し、道路が発達し、航空路が発達し、情報網が発達すればするほど、東京一極集中はなぜ進むのですか。国がそういう仕組みになっているからです。
 明治維新後わずか50年。日本は世界の強国になった。敗戦後わずか20年で、GNP(国民総生産)は世界第2位になった。そのために東京一極集中は人為的に行われたものであります。ふるさとは志を果たして帰るものではない。志を果たしに故郷に帰る。
 東京の負荷を減らしていかねばなりません。東京の集中の利益を、限界を超えたとするならば、首都直下型地震、少子高齢化、東京の持っている負担をいかにして減らすか。地方にいかにして雇用と所得をもたらすか。地方創生に、私はもう一度全身全霊で取り組み、新しい日本をつくってまいります。
 憲法について申し上げます。どうか、平成24年、党議決定をした自民党憲法改正草案、もう一度みんなで読もうではありませんか。起草員の1人として携わりました。なんで政党の役割が憲法に記されていないのですか。わが自由民主党は、日本国の中心として日々努力をしてきた。政党は権力による弾圧があってはならない。最大限自由が保障されねばならない。
 しかし、国民から政党助成金をいただいている。そうであるなら、党のカネをどのように使ったのか。政党の意思はいかに決せられるべきか。そのようなことを国民にきちんと示す。権利だけ享受する主体というのはありえません。政党法の制定が必要であります。
 合区の解消。参院選は間違いなく再来年にはやってくる。鳥取、島根、高知、徳島。合区の厳しさ、苦しさ。これを解消するために憲法改正が必要である。そうしなければ地方はどうなるんですか。地方に厚く、そういうことを申し上げているのではない。合区の解消、そのためにこの時限性のある課題には取り組むべきだ。
 最高裁判所裁判官、総選挙の際に誰がその名前を知っている。この仕組みで本当に三権分離は成り立つのか。その仕組みは法律で定めていかねばなりません。
 自衛隊は国の独立を守るためのものです。そしてその行動は全て国際法にのっとってやるべきものです。相手は外国の国家主権ですから、国際法にのっとって行動するのは当然だ。その国において最強の組織であればこそ、司法・立法・行政による厳格な統制は必要である。当たり前のことであります。憲法改正は国民が決めるものである以上、わが党は先頭に立って議論を深め、一刻も早く憲法改正に取り組むべきものであります。
 私はこの34年間、ひたすら愚直に生きてきました。もっとお利口さんに立ち回ることもできたのかもしれません。ひたすら愚直に生きてまいりました。今回「納得と共感」を掲げました。「そうだね」と国民が言ってくださる、一緒にやろうと言ってくださる、それが「納得と共感」であります。
 今こそ「納得と共感」の政治をやりたい。そして成し遂げたいのはグレートリセット。もう一度この国の設計図を書き換えていくことであります。そうしなければこの国は次の時代に生き残ることができない。やらねばならないのはグレートリセットである。国のあり方をもう一度皆さんとともに考え直し作り直していきたい。
 国民は政治を信じていないかもしれない。しかし、われわれは国民を信じているのだ。「これを言っても分からない」「これを言えば票が減る」。そう言って真実を語らない政治家は国民を信じていないのではないですか。国民を信じない政治家は国民から信用されるはずはない。わが自由民主党は国民政党として、日本国のために、次の時代のために、全身全霊で臨んでまいりたいと決意を申し述べて、所信の一端といたします。ありがとうございました。