【日露首脳会談】安倍首相とプーチン大統領、信頼醸成と対中国警戒感を共有 - 産経ニュース

【日露首脳会談】安倍首相とプーチン大統領、信頼醸成と対中国警戒感を共有

日露首脳会談を前に握手する安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領=10日、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影)
ロシア・ウラジオストクに新設されたマツダとの合弁会社の工場で、エンジンに署名するプーチン大統領(中央)と安倍晋三首相(右から2人目)=10日(共同)
【日露首脳会談・東方経済フォーラム】共同記者発表する安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領=10日、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影)
 共同記者発表をする安倍首相。右はロシアのプーチン大統領=10日、ウラジオストク(共同)
 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が22回目の会談を終えた。首相がこれだけの会談を重ね、北方領土問題の解決と日露関係の発展に注力するのは、極東地域などで勢いを増す中国への危機感をプーチン大統領と共有しているからだ。首相はロシアとの平和条約締結に加え、対中国で連携する「日露新時代」を築きたい考えだ。
 両首脳は10日夕(日本時間同)、ウラジオストクの日露自動車大手の合弁会社によるエンジン工場を視察した。その後、プーチン氏は首相に声をかけ、2人で同じ車に乗り込む様子がメディアに公開され、親密ぶりを印象づけた。
 両首脳が関係強化を目指す背景には、軍事力をちらつかせて影響力の拡大をもくろむ中国への警戒感がある。
 中国は人口が少ない極東地域へ積極的に企業を進出させている。また、巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として北極海を経由する「氷上シルクロード」の建設推進を表明しており、ロシアにとっては脅威となりつつある。
 中国は東シナ海で一方的なガス田開発を継続し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺では中国公船が領海侵入を繰り返すなど挑発行為を繰り返す。外務省幹部は「中国に警戒感を持つ日露の利害は一致している」と話す。
 こうした中、10日の日露首脳会談では、北方四島の共同経済活動をめぐる5つの事業の実現に向けたロードマップ(行程表)で合意したほかにも、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が10月に訪露することで一致し、安全保障分野での連携を確認した。
 昨年12月にはロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長が来日。今年5月の日露首脳会談を挟み、7月には外務・防衛閣僚協議(2プラス2)や事務レベルの安保協議を行った。
 ただ、ロシアは日本が導入を計画する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を米ミサイル防衛(MD)網の一部とみなして反発している。北方四島で軍事活動を強化するロシアに日本は抗議している。
 首相とプーチン氏との会談は「最後まで外に出すわけにはいかない」として中身はベールに包まれている。首相が今月の自民党総裁選で連続3選を決めても任期は3年。時間は限られている。(ウラジオストク 小川真由美)