(2)石破茂元幹事長「官僚が国民のために働く仕組み作る」 安倍晋三首相「指導力を持って政策を前進することが求められている」

自民党総裁選・共同記者会見詳報
自民党総裁選挙、共同記者会見を前に握手を交わす石破茂氏と安倍晋三首相(右)=10日午前、東京・永田町(春名中撮影)

 --先の通常国会では森友学園や加計学園の問題で忖度(そんたく)政治などと批判された。政治主導の在り方や望ましい政治姿勢についてどう考えるか。今回の総裁選を通じて、党員を含む国民に説明する考えはあるか

 石破茂元幹事長「私からお答えをいたします。信頼回復をしていかないと、政府がやる大改革に国民が共感しない。政府は信じられるね、そう思ってもらうために100日プランをチェックします。官邸において、本当に国家国民のために働く、そういう官僚が登用される、そういうシステムを作んなきゃいけない。誰がいつ、どのように会うのか、そういうルールを明確にしなきゃいけない。記録は作らなきゃいけない、残さなきゃいけない。そういうものだと思います。官邸の信頼回復」

 「2番目は、国会が本当に国民から与えられた責務を果たすかどうかです。色んなスキャンダルの追及で、予算の審議が十分できない、法案の審議が十分じゃない。それは国民の負託に応えたことにならない。そういうようなものは、きちんと別の委員会でやる。予算は予算、法律は法律で、国民の負託に応えるような国家をつくることが国会の信頼回復です」

 「3番目は、政府が、官僚が、本当に国民のために働くんだという仕組みを作ることです。官僚たちが奮い立つような、そういう仕組みを作っていくことです。そのために、官僚たちはそれに専念できるような体制を作っていかなきゃいけないし、政治の過度の介入で官僚が萎縮する、そのような体制があっては、官僚が国民のために働くことにならないと思っています。そのようにして信頼回復を急いでやらないと、設計図の書き換えなどはできない。それに全力を挙げなければいけないと思う」

 「限られた期間ですから、国民の皆様方にどれだけご説明できるか。ただ、期間が短いことを嘆いていても仕方がないので、その間に、どうやって全身全霊を尽くすかです。この間にどれだけ街頭に出るか、一人一人の人にお話をするか。選挙に誠実に向かい合うってことは、私はそういうことだと思っている。できるだけ街頭に出る、討論会に出る、ネットで配信をする。主権者をなめてはいけない。有権者に対する尊敬の念を持たなければいけない。選挙は常に全身全霊、真剣勝負。それをもって、色んな訴えをしていきたいと思っております。全力を尽くします。よろしくお願い申し上げます」

 安倍晋三首相「政治主導という、今の政治の在り方がなぜ確立をされたかということを考えなければいけないと思います。かつては縦割りの弊害がありました。『省益あって、国益なし』。こう言われていました。新たな政権ができて1つの国家目標ができたとしても、それはお構いなしで、各省庁が各省庁の収益や既得権益を守ってきたこともあった。その中において、人事も実は行われてまいりました」

 「人事についてはよく言われるんですが、いわば、各省庁が完全に人事権を持っていることによって、新しい政権が生まれても、その政策目標に従わなくてもいいという結果になってしまうことも多々あったわけであります」

 「そうした弊害を取り除いていくという意味において、累次の改革で、政治主導が確立をしていきたいと思います。そして、政治がリーダーシップを発揮すべきこと自体には間違いはないと思います。しかし、そんな中で各役人の皆さんが、官僚の皆さんが、やる気を失ってはならないと思っています。そこはやはり、指導者の責任になるわけではありますが、まさに、それは指導者の指導力が問われている、器量が問われているんだろうと思うところです」

 「そのためにも、行政のプロセスは公平であり、適切でなければならないのは、言うまでもないわけであり、公正、公平な、適切なプロセスの上に、しっかりと政治がリーダーシップを発揮していきながら、選挙でお約束したことを実行に移していく。それを官僚の皆さんにも理解をしていただきながら、進んでいくということだろうと思います」

 「そういう意味において、例えば先の選挙で消費税の使い途を変えるという思い切った決断をしました。それに向けて、例えば財務省の皆さんも本当に、必死で努力してくれました。文部科学省の人たちも頑張ってくれたし、幼児教育の無償化などについては厚生労働省もそうです。そうしたことを、しっかりと進めていくことが大切なんだろうと、こう思うわけであります。1つの目標を示して、それに向かって理解していただいて、指導力を持って約束した政策を前に進めていくということが求められているんだろうなと思う」

 「同時に、私もさまざまななご批判もいただきました。そうしたご批判は真摯(しんし)に受けとめながら、謙虚に丁寧に政権運営に当たっていきたいと考えています」

■   ■

 --勝敗ラインについて伺う。安倍首相はどの程度の得票があれば信任されたと考えるか。石破さんは2012(平成24)年の総裁選の党員票で過半数を獲得したが、決選投票で安倍総理に敗れた。今回はどのような戦略で臨む考えか

 安倍首相「はい。勝負、選挙でありますからこれは石破候補が言われたようにですね、全力で戦わなければならないと思っております。しっかりと政策を訴えていくということを、国民の皆様に、あるいは党員の皆様に語りかけていくことが求められていると思います。同時にですね、私は現職でございますから、この6年間の今までのリーダーシップの在り方、経済政策や外交、内政、全般についてのご評価をいただくことになるんだろうと、こう考えています。そういう点についてもしっかりとご説明をしていきたいなと考えております」

 「勝敗ラインということなんですが、勝敗というのはまさにこの与えられたルールの中で、勝利を収めるということだと思います。例えば今、ご紹介があったように、6年前は党員票においては、石破さんの票の半分でございますから、いわば、私はチャレンジャーの立場だろうと思います。あのときいただいた票を一票でも増やしていきたいと、こう思っております。そう簡単な選挙、簡単な選挙はないと思いますので、何とかですね、この与えられたルールの中で勝利を収めたいと、こう考えております」

■   ■

 石破氏「選挙は勝つか負けるかであって、勝敗ラインということを口の端に私はのせません。勝つか負けるかです。そのために、一人一人の方々に誠心誠意お訴えをするということ以外ありません」

 「極めて短い期間であり、このような意見を述べる機会を残念ながら大幅に制約をされています。しかし、そうだからといって嘆いていても仕方がないので、与えられた機会をいかに最大限に使っていくかということであって、それ以外の何ものでもありません。それは選挙ってのは、始まってからもそうですが、それまでも、とっても大事なことなのだと思っています」

 「私はずっとこの6年間、それは選挙のためではありません。どこで誰が何に悲しみ、どこで誰が何に苦しんでいるかっていうことを知らないで政治をしてはいけないのだと思っています。全国1718市町村、そのうちの3分の1が、いや4分の1かな。歩かせていただきました。実際に心が通じるかどうかだと思っています」

 「その方に同じ思いが伝わるか。日本国がどうするかという思いが伝わるかどうかだと思っています。いろんなやり方があります。ですけど、私は今まで自分の衆院議員32年間このやり方でやってきました。一人一人に誠心誠意訴える。それ以外に選挙はないと私は確信を致しております。一人でも多くの方のご支持を頂くよう、6年前とは全く違うのです。安倍候補は総理総裁としてこの国を、党を率いて来られてきたのであって、実績も多く残してこられました。6年前と一緒だとか、6年前に多くとったからとか、そういうような思いは一切払拭して、この選挙に臨んでいく。当然のことだと思います。以上です」