【自民党総裁選・所見発表演説会詳報】(4完)石破元幹事長「地方こそ成長の力」 - 産経ニュース

【自民党総裁選・所見発表演説会詳報】(4完)石破元幹事長「地方こそ成長の力」

所見発表演説会に臨む石破茂元幹事長=10日午前、東京都千代田区・自民党本部(納冨康撮影)
 (3から続く)
 石破茂元幹事長「これだけ働いて、賃金が上がらない。そんな日本であってよいと私は思いません。働く人たちがふさわしい賃金が得られる。そのためのいろんな政策を集中する。そのことによって価値が上がる。それによって所得が増える。経済の好循環というのはそういうことのはずであります」
 「ローカル経済というのは、地方の概念ではない。東京にもそのような経済はたくさんあるのです。あわせて、東京にかかるこれから大きな負荷、震災対応、超高齢化、この負荷を減らしていかなければ、東京の持っている能力を最大限発揮をすることはできないのであります。今ならまだ間に合う。国としてその体制を全力で支えていく。地方創生というのはそういうことであります。地方こそ成長の力。それは単なる選挙のスローガンであってはなりません。常に地方こそ成長の力です。それを最大限に生かす、地方創生を私は実現をいたします」
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 「第2に、社会保障の改革であります。そこの中核概念はいかにして、一人一人の幸せを実現するかであります。医療であり、介護であり、年金であり、子育て、働き方改革、女性活躍。1つの会議体を作ります。全ての立場の方が参加をする。そこにおいて、あれを言ってはいかん、これを言ってはいかん、そんなタブーは一切排する。不都合なデータも全て開示をする。そしてその会議は全て公開する。それを今やっていかなければなりません」
 「世界に冠たる医療保険制度は、必ずこれを堅持しなければなりません。介護保険も同様であります。しかし、医療保険ができたときに、対象となるのは何でしたか。結核に代表される旧世紀の病気であり、治療すれば治る。そういう病気だったはずです。生活習慣病、いわゆる認知症、それとは趣を異にする」
 「病気になったからお医者さんにかかれる。体が不自由になったから介護が受けられる。それは守っていかねばならないのですが、いかにして病気にならないか。いかにして要介護にならないか。そういう仕組みを確立をしていかなければなりません。保険のあり方をもう一度見直すことが必要なのであります」
 「介護も同様です。お家で介護をする。総理が介護離職ゼロとおっしゃいました。それを実現をしていかなければなりませんが、お家の中で介護をする。大変なことであります。地域でみんなを支える。そういう社会を作っていきたいと思っています」
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 「(両親に虐待されて5歳で亡くなった船戸)結愛(ゆあ)ちゃんのような事件を二度と繰り返してはなりません。そのために、保育は福祉、その原点に立ち返り、そのようなものとして整備を進めてまいります」
 「女性の方がなぜ働きにくいのか。なぜ社会で活躍できないのか。そこには何か理由があるはずです。議員さんもそうです。働く場所においてもそうです。なぜそうなのか、ということは徹底して女性の視点に立って変えていかなければなりません」
 「働き方改革は、働く人の立場に立つべきです。いかにして、働く人たちのいろんな力を上げていくか。そのための施策を集中していかなければなりません。これから人口が減る中にあって、働く人たちを大切にし、その能力を最大限に上げていく。そうしなければ所得なんか上がりません。企業の収益も改善しません。人に対する投資、これは喫緊の課題であると私は考えております」
 「クオリティオブライフという考え方があります。人生いかに幸せに過ごすか。私は、高齢者対策という言葉があまり好きではない。高齢者って対策の対象なんですか。そうではないでしょう。高齢者は対策の対象なのではない。貧困対策、子供の貧困対策、そういうことにならない社会を作っていくのは政治の責任だと私は心得ております。アンダークラスという言葉があります。非正規の人たちを中心とする年収186万円以下の方、930万人おられるのです。男性の66%は独身です。こういう方々に光を当てていくことが政治の責任ではありませんか。一人暮らしの高齢者の方、600万人おられるんです。300万人は生活保護以下の収入しか得ておられません。実際に受けておられるのは70万人です。こういう人たちが目に涙をいっぱいためながら、政治の助けを待っている。社会保障。まさしくそのような会議体を作り、方向性を見いだす。消費税の在り方は、その中で見いだされるべきものと私はそのように考えております」
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 「防災省、必要です。専門の官庁が必要です。専任の大臣が必要です。専任のスタッフが必要です。平時からそのことをやっていく体制。1718市町村どこであっても同じ対応がなされなければなりません。その体制を整備するために、防災省は必要だ。それは強大な権限を振るうものではなく、いかにして、全国どこにあっても、予想外とかそのような言葉が出ることがない、そういう体制を作ってまいります」
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 「外交については、日米同盟、これを機軸といたします。日本にとってアメリカは必要です。しかし同時に、アメリカにとって日本も必要な国なのです。そのことをよく認識をしていかなければなりません。防衛のあり方も地位協定のあり方も、あくまで日本国の利益、国民の利益を中心にして考えてまいります」
 「北朝鮮、なぜあのように変わったのか。中国との関係が強化され、ミサイルの技術に一定の成果が出た。そのことは厳然たる事実でしょう。国家主権の侵害である拉致問題。この解決のために連絡員事務所を作る。成果を一つ一つ検証するその仕組みを作ってまいります」
 「防衛、これも政治家の覚悟と見識が問われています。人が十分なのか、燃料は十分なのか、食料は十分なのか。どんなに立派な装備を持っても、人が、装備が十分でなければ、専守防衛を果たすことはできないと考えております」
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 「最後に憲法について申し上げます。必要なもの、急ぐものからやらせていただきます。必要最小限だから戦力ではない。国内では軍隊ではないが、国外に出れば軍隊。本当にそんなことでいいですか。私はそうは思わない。自衛隊に感謝の思いを持っている。そういう国民は9割です。やるべきことは国の独立を守る組織。そして国際法に従って活動する組織。それを明確にすることだと私は信じております。合区の解消。そして緊急事態条項、これは喫緊のものだ、そのように考えます」
 「自由民主党は国民政党であります。自由闊達(かったつ)に真実を語り、そしてあらゆる組織と協議をし、国会を誠実に、公正に運営し、政府を謙虚に機能させる。その自由民主党の原点に戻ってまいります。私は何者も恐れない。ただただ国民のみを恐れ、この選挙を戦ってまいります。国民のみを恐れ、何者も恐れず真実を語る。どうぞ皆様よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました」
=おわり